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Inner Science - Self Titled - LP/CD/Digital - PLIN-008

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■ TITLE | タイトル
- Self Titled
■ ARTIST | アーティスト
- Inner Science

■ Cat# - RELEASE FORMAT | 型番 - フォーマット

: PLIN-008RD - LP+DL Code(48khz/24bit/WAV) - Edition of 100
: PLIN-008CD - CD+DL Code(48khz/24bit/WAV) - Edition of 100 - フィルム付PPスーパースリムケース仕様
: PLIN-008 - Digital

■ RELEASE DATE - PRICE | 発売日 - 値段
: PLIN-008RD - LP - 23 JAN 2022 - ¥3,850 (¥3,500+tax)
: PLIN-008CD - CD - 6 APR 2022 - ¥2,200 (¥2,000+tax)
: PLIN-008 - Digital - 6 APR 2022

■ LABEL | レーベル - Plain Music
■ Distribution | 流通 - Ultra Vybe (CD / Digital)

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“Inner Science"の名を冠した、通算10枚目となるオリジナル・アルバム。全10曲/39:45収録。LP&CDともに、ハイレゾ音源(48lhz/24bit) とボーナス・トラック(Ambient ver x3) のDLコード+ステッカー入り / 100枚の生産 / ナンバリング有り。

10th original album is the self-titled "Inner Science”. Total 10tracks/39:45. LP&CD with Full color jacket / Included Hi-rez data(48lhz/24bit) & Bonus track (Ambient ver x3) + Sticker / Edition of 100 / Hand numbered. 

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■ Track List  / トラックリスト

01 - Introduction for Self Titled (1:09)  
02 - Envelope (4:47)  
03 - Order of Preference (5:52)  
04 - Waveform Spectrum (1:40)  
05 - Modulator (4:17)  
06 - Key Note Velocity (2:10)  
07 - Begin Again  (6:26)  
08 - Other Beautiful Fragments (2:09)  
09 - Align (6:39)  
10 - Brand New Hour  (4:37)


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■ Interview  / インタビュー

ーーInner Science名義のアルバムとしては10作目の作品になりました。10作目にしてタイトルが『Self Titled』ということで、「これがインナー・サイエンスだ」のような意味にも取れるタイトルです。西村さんとしても、やはり10作目というところは記念というか、感慨のようなものを感じているのですか?

単純に、2桁になるタイミングで区切りがいいなってところはありますね。ただ若い頃からリリースを続けている中で、オリジナル・アルバムが一番の活動の軸っていう自覚はあるんです。それが10作目まで辿り着いたという気持ちももちろんあります。タイトルってことでいうと、普段から、あまりタイトルに大きなメッセージを持たせるつもりはないんです。もちろん作り手としての個人的な気持ちは、あくまで個人的なものとしてありますし、それはどうしたって楽曲に溶け込んでいるものだとも思いますけどね。でもせっかくインストゥルメンタル・ミュージックを作っているので、その先は聴き手の想像力にはなるべく委ねたいですし、その邪魔にならないように。

ーーなるほど。今お話しされた通り、西村さんはオリジナル・アルバムのほかにも、アンビエント作品やサウンド・コラージュ作品もリリースされています。この辺りのすみ分けは?

オリジナル・アルバムが活動の真ん中にあったうえで、そこを囲むようにアンビエントだったり、サウンド・コラージュ、フロアを意識したようなトラックとかがそれぞれの持ち場で突出していっている感じでしょうか。オリジナル・アルバムはそういうものの集合体っていう意識はありますね。あとは単純に、アンビエント集のタイトルには『Ambient』って付いていたほうが分かりやすいんじゃないかってところ。そこらへんの整理って、途中からするようになったんですよね。サウンド・コラージュ集も、『Assembles』っていうシリーズとして出していますし。

ーー分けようと思ったのは、むしろあとなんですね。

年々あまり自分で説明をしなくなってきているのもあるし、説明しづらくなってきている自覚もあるんですよ。だからせめて、個別に分けてまとめても成立すると感じてリリースした作品は、その方向性が分かりやすいように。自分としては、日々好きな素材を作り溜めて、それを好きだと感じる順番に並べていって、それが結果としてそれぞれが違う仕上がりになっているって感覚です。ビートがないところで整理していけばアンビエントになっていくし、いわゆるトラック的なBPMの構造にうまく入れ込めないけどどうしても気になる素材とかを紡いでいったらサウンド・コラージュになってきたり。その辺りの混ざり具合がちょうど良いバランスのものや、オリジナル・アルバムでしか聴かせ難いような曲調のものがオリジナル・アルバムになっていったり。

ーーオリジナル・アルバムでしか聴かせ難い曲調のものっていうのは?

なんて言えばいいのかな。曲としては成立していつつも、サウンド・コラージュとかアンビエントのように、まだ1つの作品集としてまとめようがないもの。「どうまとめたらいいのかな?」っていう。アルバム自体がすべてそれらで構成されているってわけでもないですけど、それらがアルバムを形作るうえでも、その先に派生していく個別の作品集ができていくうえでも大切だと感じます。

ーーオリジナル・アルバムに関して、前作『Made』(2020年)から今作にかけて、変化を自覚していることはありますか?

ただ1つ、今回は1LPで出そうっていうのを決めていて、そこは大きいかもしれません。CD、デジタル配信、レコード、カセットテープなどのフォーマットによって、聴取体験の時間軸や感覚が異なる感触があって、そこに面白みを感じるんです。その中で、「1LPで聴きたい音源ってどういう内容かな?」っていうのは考えました。あと、レコードを出すって、時間も予算もかかることをするんだなっていうのを改めて感じたり、フィジカル全般はいろいろな意味で有限である、っていう気持ちもありつつ、「次は初めてLPを出すんだ」って高まりはありましたね。やっぱ1枚のLP……なんていうんですかね、Nasの1stアルバムとか、O.C.の1stアルバムみたいに、1LP、みたいな。そういうのは今でも自分の中で“クラシック感”としてあるんで。

ーーアナログ・レコード、CD、デジタル配信とさまざまフォーマットでのリリースになったわけですが、マスタリングもすべてご自身で?

そうですね。なんか言われてみれば、今回は“全部自分でやる”もコンセプトだったかもしません。アートワークも、マスタリングも、入稿も、出荷も全部自分でやる。もちろんそれができるのも、取り扱いを快諾してくれたレコード屋さんとか、CDやデジタルだったら流通してくれるウルトラヴァイブの方とか、そういう皆さんのお力添えがあってこそですけど。

ーー自分1人で作ってミックス・ダウンしたものを、さらにマスタリングまでやるとなると、良し悪しの判断がつかなくなりませんか? 何が正解か分からなくなる、みたいな。

そりゃーもう、何回も分かんなくなってます(笑)。だけど最終的には「自分がこれでいいんだからいいんだ」って意志を持ってやるしかない。究極を言っちゃえば、まったく同じ環境で再生しても、数分、数秒の間の体調のちょっとした違いとかで音が違うように感じちゃいますよね。だから最後は自分を信じて「これでいこう」って決断するしかないし、自主レーベルを続けてきて、その"自分で決める”訓練はずっとやっている気がします。だって、20年くらい前の1stなんか、マスタリングこそお願いしましたが、リリース自体は本当にもう勢いで出してるんで。でも今思えば、その軽いノリで出しちゃっているのが良かったんだろうなって。いつも、それを上回れるように頑張ろうってだけで続いている感じです。「最新作が常に自分のベスト」みたいな。

ーー西村さんのトラックは美しい音色が緻密かつ複雑に絡み合っていて、どう作っているのかあまり想像できないんですよね。

やってることは複雑ってわけでもないと思うんですけど、とはいえ自分でも曲作りのあと、ミックス・ダウンやマスタリングをしたり、ジャケットのアートワークを整えたりしてたりで時間が経つと、曲自体をどう作ったか忘れてることはありますよ。何を取っ掛かりとして、何がきっかけになってこれを作ることになったのか。その記憶がすっぽりと抜けているときがある。次の作品を作るとき、毎回それを思い出そうとする時間がありますもん。だからこそ、毎回ちょっとずつやり方が変化しているところもあるかもしれないので、もはやそれも必要な工程なのかも。

ーー今作を今作たらしめるものって、ご自身的にはどういうところだと思いますか?

うーん、そうですね。まず、新しい楽曲を作り出すってほんといろいろなチャレンジや実験の積み重ねだと思うんです。実験って、たとえばむずかしい道具を使わなくても、公園で晴れた日に水飛沫を飛ばしたら初めて虹がつくれた、みたいなことも自分なりの実験って言えますよね。そういったフレッシュなひらめきやおどろきを、音楽を作るにあたっても大事にしたい、保ちたいって気持ちがあって、それは今作にも出ているかもしれません。音が連打されたり、引いていったり、間の取り方だったり、音の鳴りや位置や位相、その組み合わせ、それに『いつものソフト・シンセでこんな音が出た』なんてのも、自分の中ではなるべく何にも似ないようにという意識も含めた一種の実験というか、新鮮味を追いかけてやっていることでしょうし。

ーー西村さんの楽曲について、“幸福感があるトラック”と言われているのを目にすることが多いんですけど、本作はそういった印象がより強まっているように思いました。

それもここ数年、特に顕著な傾向なのかもしれないです。あと、20年前の渋谷とかって一大レコード街で、そこで自分でラップをやったりレコードを買ったりしている中でインスト作を追っていった結果、ブレイクビーツだったり、エレクトロニカだったり、テクノやハウスだったりにどんどん繋がっていったって感覚があるんですよ。エレクトロニカなんかはメロディアスなインスト作品が多かったのですが、時を経ていくと徐々にインストとして聴けるものがレコードとしてはどんどん無くなっていったなぁって記憶があるんです。で、なんか、その、「そういうインスト・アルバムって良かったなぁ」という良き思い出が今も自分の中に残っているような気がしているんですよね。メロディアスな音楽はもともと好きだったので、そういったものの消化の仕方みたいなものが自分の中にあって……そういう影響が、今に繋がってる。だからやっぱレコードに帰ってきて……ああ!

ーーえ?

いや、いい話になっちゃう(笑)。

ーーはははは(笑)

でもなんか、確かにそんな気がしました。そういうレコードも1LP、EPが多かった気がしますし。別に「あの頃に戻りたい」とかは1ミリもないんですけど、まあ、そういうこともあって。僕は自分1人の作品に関してはとにかくインストなんですよ。自分がラップを辞めたことの反動ももちろんあるんですけど、声ネタを使うことをしないのも、「声を入れるならラップをやっとけばよかったじゃん」みたいな気持ちもあるんで、自分のアルバムとしては肉声は入っていないんです。

ーーウワ物もビートも、歌うような感じはあれど。

そうなんですよね。とにかく今は、インストの曲自体が豊かな表現として聴いてくれた方の想像力を刺激できたら一番いいなって。

ーー西村さんの作品、いつ聴いてもInner Scienceの音だと分かる一方で、押し付けがましさはありません。それでいて、アルバムを聴くとやっぱりアチチュードが感じられるから、そこが個人的にはシビれるところなんです。さっき「前作から変わったことは?」と聞きましたけど、逆に、この10作で変わっていないことはどう認識されていますか?

自分のアルバムの曲は自分1人で作っていること。声の入ってないインストであること。あとは、機材や手法こそ徐々に変われど、自分の好きな音を好きなように並べているのをずっと楽しくやってますってところでしょうか。こうやって並べるとだいぶ根っこの部分ばかりですけど(笑)。あと、そういったことを続けた結果「曲ができた!」っていう瞬間が訪れるので、それを楽しみたいっていうのもやっぱりあるんですよね、今でも。あとはその、自分の好きなことや、やりたいことに対して忠実に。そこは自分の中でできるだけ間違えないように意識してます。それらの判断を経たその先に、それを楽しんでくれたり、買ってくれたり、聴いてくださる方がいてくれるんだと思うので。

ーーなるほど。

だんだん歳を経て、どうしても「この作品が最後になるのかな?」みたいな意識がないことはないんですよ。肉体には限界があるわけなので。だからこそコンスタントに作り続けたいんですよね。そして今作も「あぁ、このアルバムが作れて良かったなぁ」って言える作品になったなと感じていて、本当に幸福なことだと思います。そして間もなく、次の「これどうやって作ったんだろ」という自問自答が始まります(笑)。

Interview&Text : 加藤一陽 / Sow Sweet Publishing,inc.

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■ Inner Science - Profile / インナー・サイエンス - プロフィール

西村 尚美によるソロ・プロジェクト。自身が美しいと感じる音を作り、様々な順番に並べ、彩りにあふれたインストゥルメンタル・ミュージックとして表現する。

A solo project by Masumi Nishimura. He creates sounds that he himself finds beautiful, arranging them in various order, and expressing them as colorful instrumental music.

http://www.masuminishimura.com

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